父が手作りの栗ご飯を持ってきてくれました。
ほくほくとした栗の甘みと、もち米のやさしい食感。
一口食べるごとに、懐かしさと安心感が広がるような、そんな味でした。
秋は「実りの季節」。
自然の恵みが豊かに届くこの時期は、薬膳的にも“養生”に最適なタイミングです。
今日は、栗の持つ薬膳的な効能について、少し深く掘り下げてみたいと思います。

秋の味覚、栗は脾臓を補って、胃腸を整えたり、腎に働きかけアンチエイジングを支えてくれたり、気を補って元気をチャージしてくれます。

🌰栗の薬膳的効能とは?

栗は、東洋医学では「温性」の食材に分類されます。
つまり、体を内側から温めてくれる働きがあり、冷えやすい秋冬の養生にぴったり。

1. 脾(ひ)を補い、胃腸を整える
栗は「脾」を補う食材として知られています。
脾は消化吸収を司る臓器で、ここが弱ると食欲不振や疲れやすさにつながります。
栗ご飯は、疲れた胃腸をやさしく支えてくれる“食べる養生”の一品です。

2. 腎(じん)を助け、足腰を丈夫に
「腎」は生命力や成長、骨や筋肉の健康に関わる重要な臓器。
栗には腎を補う働きがあり、足腰の弱りや冷え、頻尿などの不調にも効果的とされています。
年齢を重ねた方の体力維持にもおすすめです。

3. 補気作用で元気チャージ
栗は「気」を補う食材でもあります。
気は、私たちの生命活動のエネルギー源。
疲れやすい、やる気が出ない、風邪をひきやすい…そんな時は、栗の力を借りてみて。

4. むくみ予防にも◎
栗に含まれるカリウムは、体内の余分な水分を排出する働きがあります。
季節の変わり目にむくみやすい方には、自然なデトックス効果も期待できます。

🌰栗ご飯は、心と体を整える“季節の処方箋”
父の栗ご飯は、ただの手料理ではなく、
秋の養生にぴったりな“薬膳ごはん”だったのだと、改めて気づかされました。
食材の力を借りて、季節に寄り添う暮らしを。
そして、家族の手から届く温もりもまた、何よりの養生かもしれません。